「菅義偉首相は1月4日、東京・埼玉・千葉・神奈川の1都3県を対象に、緊急事態宣言の再発令を検討すると表明しました。しかし感染症の対策は早く打てば打つほど、対策期間も短くて済むもの。それを考えると政府はもちろん、1日1000人を超す感染者が出るまで目立った対策を打たなかった東京都も、明らかに判断が遅いと言わざるを得ません」
こう断じるのは、京都大学大学院医学研究科・西浦博教授(43)だ。
西浦氏は理論疫学者。第1波の際には厚労省クラスター対策班のメンバーとして「感染拡大を防ぐには、人と人の接触を8割減らすことが絶対必要」と主張し、“8割おじさん”の名で知られるようになった。
以降も数理モデルを駆使し、緊急事態宣言が解除された後の昨年6月上旬には「7月中に都内の感染者数が1日100人以上になる」と“予言”。第2波の襲来を的中させている。さらに、小誌7月30日号では「第3波は必ず来る」と述べ、いち早く秋以降の第3波の襲来に警鐘を鳴らしていた。
そして、新型コロナウイルスが日本に上陸してから1年。再び緊急事態宣言が発令されるのを前に、西浦氏が120分間にわたって、小誌の取材に応じた――。